『ぬらりひょんの孫』との出会い

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© 椎橋寛 / 集英社

週刊少年ジャンプで連載していた作品。妖怪を扱った漫画のなかでも頂点だと思います。まず昼は人間、夜は妖怪になるという主人公の設定が面白い。そして妖怪がテーマの作品に欠かせない陰陽師という存在も登場し、妖怪・人間・陰陽師の複雑な関係が描かれています。

本作のもう一つのジャンルに「学園もの」があります。主人公の「奴良リクオ」は中学生で同級生には、密かに思いを寄せる幼馴染の女の子「家長カナ」や陰陽師「花開院ゆら」、オカルト好きな「清十字清継」たちがとりまいています。主人公が妖怪に変身するのがバレるのかバレないのか・・・というコメディも楽しめます。また奴良リクオの幼少期からの世話係である「雪女つらら」も側近として同じクラスで過ごしているのも面白いです。

自分にとって『ぬらりひょんの孫』は初めてリアルタイムで観た深夜アニメでした。当時は「デスノート」や「魔人探偵脳噛ネウロ」と並び、週刊少年ジャンプを代表するダークファンタジー漫画でした。本作の特徴は日本が誇る「妖怪」という文化の「恐ろしさ」「可愛さ」「滑稽さ」「カッコよさ」等のすべての表現が描写されています。つまり同じ妖怪でも可愛いキャラクターは物凄くかわいい。怖いキャラクターはちゃんと絵のタッチも不気味そのものとなっています。その書き分けも見どころの一つです。