実写版「カイジ」から考える実写化の成功作品とは・・・?

カイジ2 人生奪回ゲーム」©福本伸行講談社/2011「カイジ2」製作委員会

 

こんにちは!きなこです。

 

休日に久しぶりに藤原竜也主演の映画「カイジ」シリーズを3部作すべて観直しました。個人的に「海猿」「恋は雨上がりのように」「るろうに剣心」と並び、日本の漫画原作の実写化成功例の一つだと考えています。私の実写化が成功しているなぁと感じる映画には共通している点が2つあります。

 

まず一つ目は再現度の高さです。日本映画の実写化作品は演者がまるで漫画のコスプレをしていると感じることが多いです。それは単純に舞台が日本ではない漫画のキャラクターを日本人が演じていることに違和感がある場合もありますが、「現実に、もしこんな世界があるならこんな感じ」だと思わせてくれる作品が好みです。

 

2つ目は、実写版ならではの独自性があると嬉しいです。例えば、実写版のカイジは原作との物語や勝負するゲームのルール等、改変があります。加えて主演の藤原竜也演じる伊藤カイジも、セリフや行動は一緒ですが「同じキャラクター」だとは思いにくいです。ですが、れっきとしたカイジであることには変わりません。作りこまれた舞台のセット、音楽、役者の演技力が高すぎて「カイジ」という映画の世界観に説得力があり、キャラクターも映画の世界の中で実際に存在している様に思えてきます。

 

この「説得力」こそが実写映画の醍醐味だと考えています。

 

カイジに関しては漫画の実写版としての「再現度の高さ」と、映画「カイジ」という独自のブランドを兼ね備えていると思います。推測ですが、製作陣は原作をそのまま実写にした映画ではなく、その原作を活かして全く新しい作品を創ろうとしたのだと考えています。だからこそ実写版「カイジ」は、原作との改変点や、演出の違いがあっても既存の原作ファンに受け入れられ、新しい客層にも支持を得たのではないでしょうか?

 

この「再現度の高さ」と「そのまま再現しない」という2つの相反する要素があっても文句を言わせない作品は、やはりどこかに「説得力」を感じさせる「何か」が備わっているのだと感じます。