『HUNTER×HUNTER』考察 / ゲンスルー戦での鮮やかな伏線回収

©「HUNTER×HUNTER冨樫義博集英社

 

こんにちわ!きなこです。(⌒∇⌒)

 

今回は『HUNTER×HUNTER』グリードアイランド編のゴンとゲンスルーの戦いで描写された伏線回収を解説します。ゴンとキルア、ビスケはゲンスルー戦へ向けて「とある作戦」を立てました。それは、事前に作った落とし穴がある地点までゲンスルーを誘き寄せ、ゴンのジャジャン拳で一気に巻き添えにすること。さらにカード化した「岩」を落とし穴の中で具現化させ、予め作っておいた逃げ場にゲンスルーを誘い込んで、渾身の一撃をぶち込むこと。

 

 

©「HUNTER×HUNTER冨樫義博集英社

 

 

念能力での勝負は力量差だけでは決まらない・・・という言葉通り、ゴン組の知恵が功を成した一戦と言えるわけですが、実は結構ギリギリのところで勝った節もあります。戦いの冒頭でゴンはゲンスルーに「約束なしじゃたとえ殺されても もう本(バインダー)は出さない!!」とカードを渡すことを真っ向から拒否します。が!その時点でハンゾー戦のようにゲンスルーに拷問をされていた可能性だってあったわけです。現にゲンスルーはゴンに「先に参ったと言った方がカードを渡す」という条件をつけられた際も、「勘違いしてないか? お前は条件どうのと言える立場じゃない」と返します。

 

力づくで奪う気満々です。

 

©「HUNTER×HUNTER冨樫義博集英社

 

 

ちなみに15巻の143話でゲンスルーに条件交渉を持ち掛けようとしたプオールは、有無を言わさず殺されてしまいます。しかしゴンは口論の末、悪の権化であるゲンスルーに「先に参ったと言った方がカードを渡す」という一応の条件のついた決闘をすると認めさせます。プオールとゴンの違いは何だったのでしょうか?実はプオールが殺害される瞬間がゴンVSゲンスルーの根幹を成立させるための伏線になっています。

 

条件交渉を持ち掛けたプオールに対してゲンスルーは、「交渉」のコツについて、「いかに冷静でイカレてるか相手に理解させるのがコツだ」と話しています。そして18巻の176話で「約束なしじゃたとえ殺されても もう本(バインダー)は出さない!!」というゴンの条件に対してゲンスルーは「お前も狂ってるな オレとは違うところがだが」と話し、「先に参ったと言った方がカードを渡す」という決闘に応じます。

 

 

©「HUNTER×HUNTER冨樫義博集英社

 

 

命よりも「自分の意地」を優先させた条件を出すゴンを「イカレてる」と判断したからこそ、遊び半分で「参った」というまで泳がせてやろう。という気になったのでしょう。ここでゲンスルーが単なるカードの強奪ではなく、決闘に応じたことがゴンの勝利に大きな影響を与えています。

 

まとめとして、15巻の143話のゲンスルーの言う「いかに冷静でイカレてるか相手に理解させるのがコツだ」という「交渉」の仕方をまさか、主人公であるゴンが実践してみせるっていうのが面白いですよね・・・(〃艸〃)ムフッ

 

ではまたッ!