『 ターミネーター/ニュー・フェイト 』映画評(ネタバレ無し)★★★★☆
殺人兵器ターミネーターの恐怖と、人類と人工知能の可能性を描いたシリーズ最新作。「ニュー・フェイト」はシリーズ第6作目でありながら、過去の3〜5作を無視して制作された、第2作目の正統な続編です。
あらすじ
「審判の日」は回避され、人類は滅亡を免れた・・・筈だった。しかし危機はすぐそこまで迫っていた。メキシコシティで暮らしていた、ごく普通の21歳の女性ダニーのもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が命を狙って襲ってきた。その頃、同じく未来からやってきた女性「グレース」が、ダニーを守るためにREV-9と戦闘を開始する。次第にグレースはREV-9に追いつめられ、絶対絶命となる。とそこへ、かつて人類を滅亡から救ったサラ・コナーが現れる。
ポスター
作品データ
原題
- 『 Terminator: Dark Fate 』
上映時間
- 129分
公開日
- 製作国(アメリカ合衆国)2019年11月1日
- 本国 2019年11月8日
製作キャスト
- ティム・ミラー(監督)
- ジェームズ・キャメロン(製作総指揮)
- デヴィット・S・ゴイヤー、ジャスティン・ロードス、ビリー・レイ(脚本)
- ジャンキーⅩL(音楽)
- リンダ・ハミルトン
- アーノルド・シュワルツェネッガー
- マッケンジー・デイビス
- ナタリア・レイエス
- ガブリエル・ルナ
- ディエゴ・ボネータ
- エドワード・ファーロング
きなこ評
冒頭からターミネーターらしい不穏な空気が流れると共に、観客に混乱を与える衝撃の展開が用意されている。シリーズのファンであれば尚更、賛否が分かれる展開であるが、同時に制作側の決意を感じた。
冒頭の展開が物語において重要な役割を果たし、ラストの感動につながるので絶対に最初から観て欲しい!あと、途中で席を立つのだけはやめてほしい。冒頭だけではなくシリーズ第2作目からの伏線が奥深いメッセージとなって回収されるのは見事だった。ターミネーターは単なるアクション映画ではなかったなと、思い出した。初鑑賞時は、もうこの映画がヒットしても「ターミネーターの完結作」としての完成度が高いから続編は作らないでほしいと感じたくらいだ。
お馴染みのT-800とサラ・コナーの容赦無いアクションシーンの連続と、新しいキャラクターの統合がうまい。このあたりは恐らく、『 スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015) 』を意識した脚本だろう。悪役となるREV-9は、分身というシリーズ通してみても、画期的な能力を持つ敵キャラクターだが、その要素を活かしてもっと不気味に演出できたはずだと思う。
ちなみに監督のティム・ミラーは本作のことを「失敗作だ」と語っている。確かに興行的にはそうかもしれない。しかし「ターミネーター」シリーズとしての本作を私は高く評価している。