2023-01-01から1年間の記事一覧

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』考察/最も優しく、最も孤独なヒーローの誕生

トム・ホランド演じるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)版のスパイダーマンは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で別次元から怪人たちを呼び寄せた際、彼らがいずれもスパイダーマンに殺される運命にあると知ります。 「そのまま元の次…

『キングコング対ゴジラ』考察/いかにゴジラが怪獣として手強いかが分かる映画

日米の二大怪獣が対決する『キングコング対ゴジラ』。両者が初めて相見えるのは物語が中盤に差し掛かった頃の事。自社のテレビ番組の人気不振に頭を悩まされていた宣伝部長の思惑により、帰巣本能で日本に上陸したゴジラと、ファロ島から運ばれたキングコン…

『キングコング対ゴジラ』考察/二大怪獣の対決は宿命だったのか。

アメリカが製作し、1933年に公開された『キング・コング』と『コングの復讐』、日本では1954年に『ゴジラ』、1955年に『ゴジラの逆襲』が公開されました。 それから7年の時を経て両者は『キングコング対ゴジラ』で共演します。 このキングコングはそれまでの…

「シン・犬神家の一族」を観た気がする。最高の体験

吉岡秀隆版の「犬神家の一族」を観た。彼の金田一は、庶民派で自分の好奇心に任せてどんどんと事件現場に介入していく。どんなに周囲に煙たがられようが気にしない。というか好奇心に夢中で気が付かない。 石坂浩二版は市川崑監督から「天使」だと言われてい…

最高の映画テーマの一つ「愛のバラード」

『犬神家の一族(1976)』のメインテーマは、とても奥深いメロディだ。映画の鑑賞前に聴くと、一族の陰湿な面と恐ろしい殺人事件を表した不気味なメロディに感じる。 だけど鑑賞後にメインテーマを聴くと、それが登場人物の「愛」と「憎悪」の入り混じった複雑…