『キングコング対ゴジラ』考察/いかにゴジラが怪獣として手強いかが分かる映画

日米の二大怪獣が対決する『キングコング対ゴジラ』。両者が初めて相見えるのは物語が中盤に差し掛かった頃の事。自社のテレビ番組の人気不振に頭を悩まされていた宣伝部長の思惑により、帰巣本能で日本に上陸したゴジラと、ファロ島から運ばれたキングコングが栃木県日光市中禅寺湖付近で対決する事になる。

この第一戦でキングコングゴジラに勝ちを譲ったが、この時点でもし対戦相手がゴジラでなければどうなっていたか。キングコング作品には恒例のイベントとしてT-REXやゴロザウルスといった恐竜対決が映画の中盤の見所の一つとして盛り込まれるが、このシーンもその様なキングコングの強さを示す為の見せ場の一つとして扱われ、終盤のゴジラとのバトルもなく、完全なキングコングの映画になっていた筈だ。

キングコング対ゴジラ』では、その恐竜対決のシーンを大ダコに担わせている。結果としてゴジラは、ラストまでキングコングに勝ちを譲る事はなかった。この映画は、ゴジラが並の怪獣とは桁外れに厄介な存在である事を証明しているのだ。