最高の映画テーマの一つ「愛のバラード」

犬神家の一族(1976)』のメインテーマは、とても奥深いメロディだ。映画の鑑賞前に聴くと、一族の陰湿な面と恐ろしい殺人事件を表した不気味なメロディに感じる。

だけど鑑賞後にメインテーマを聴くと、それが登場人物の「愛」と「憎悪」の入り混じった複雑な心境、とりわけ遺産争いに巻き込まれた珠代の佐清に向けた恋慕の情を表している様に感じる。まさに「愛のバラード」というタイトルに相応しい曲といえる。

映画は犬神佐兵衛が一族の前で臨終した瞬間から、「愛のバラード」と共にメインタイトルの文字がバン!と出る。そのインパクトと何やら不気味な物語が始まる予感でオープニング中はワクワクと怖さが止まらない。

作曲者は「ルパン三世」のテーマで知られる大野雄二。彼は凄い。